ホワイトビスケット

左目は昨日と変わらず  

そのせいか、右目に負担がかかり ぼやけて見える

距離感がつかめず 食事をしていても口まで運ぶ感覚がつかめず

絶対安静でないと、また網膜が破れてしまうので….

が、しかし運動不足すぎ  外でも歩こう

その前に、小腹が減ったので冷蔵庫をあさり
手探りで透明のビニール袋に入ったビスケットを見つけ 

味もなくまずい 1枚半食べてやめ お散歩へ
とぼとぼ ゆっくり 転ばぬよう感覚で歩いていると

電柱がぼんやり見える度 トイレに行きたくなる

散歩中の犬が通りすがるたびに イラッとする

ストレスのせいか いつもと違う

目が不自由なせいか その分 匂いにも敏感になってきている

動物の排泄物の匂いがわかる 嫌な気分

危険だ 帰ろう

曲がり角では なぜか片足をあげたくなる 変だ

帰宅後、妻が「ガリちゃんディゴにおやつあげた?」

「いやあげないよ」

「ディゴのビスケットが、テーブルの上に置いてあるから」

「えっ 俺それ食べたよ」

「ぎゃはははは  ディゴのビスケだよ」

「ちゃんと箱に入れとけよ」

「だってかさばるじゃん」

まさか、そのせいで犬っぽい行動になっていたのか

思い込みも甚だしい 科学的根拠もない

「無添加で体にいいビスケットだから 影響は、ないよ」 

あったような ないようなと言いつつも 

普段 ドジらない俺を、こんな時にかぎってこけにする

そんな会話が終わった後

俺は、ディゴの骨をずっと見つめていたのだ ワン!

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