ダイヤモンドプリンセス

羽田まで奥様が迎えに来てくれた  のんびり帰宅

ベイブリッジに差し掛かると、あの豪華客船が…

見たこともないオーラが 大黒ふ頭に渦巻いていた

夢のような船に乗り合わせた人々はなぜ はずれくじを引いてしまったのか

頭を抱えているだろう 目の前に迫り来る 想像もしていなかった恐怖

目を閉じてしまうと 負けてしまいそうな現実

不安に怯え、生涯片目を開いたまま眠る人がいないとは否定できない

これは、宣告された癌患者と似ている

地球をガッカリさせる程 汚してしまった人間への復讐か

マスクや防護服をすり抜ける人間の欲望

昨日までの懺悔をたかが30秒の手洗いで落とせるはずもない

あの大国は正しいことを語っても、押さえつけられてしまう 影のヒーローたち

地球が丸いなんて口を滑らしたら、どんな罪に問われるのだろうか

未来に近づこうと 時代を早回ししたがる権力者たち

高いところに手を伸ばし、かかとを上げ、突っ立ったまま 

思わぬ風が吹くとバランスを崩す

大地を踏みしめていれば もっと地球と分かり合えるのに

世界を巻き込んだ 火薬を使わない戦争が、 大切なものを奪ってゆく

船内の人々が明日にでも地を踏めるよう 

無事帰宅して、家族に会い ジョークの一つも言いながら 乾杯してほしい

コロナビールで

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