左目に、形や色が見える
表面に水が溜まっているかのように それがレンズとなり 倍の大きさですべてのものがうっすらと映り出してきた
水中で目を開け、見にくい状態に似ている
今回の入院は、三日間 予定より大幅に早くほっとしている
そういえば、入院二日目に家族で見舞いに来てくれた友がいる
六本木の背の高いマンションに住み 年の半分はニューヨークに住み ファッション関係の仕事をしている男
久しぶりの再会 奥さんはドイツ人めっちゃ美しいモデル
奴にはもったいない
瞳の色はエメラルドグリーン 瞳の色と同じピアスをつけている女には気をつけろ
四つ目で心を見透かされ 覗かれている気がする
彼女の心の目をプラスすると「5 Eyes 」
それは、世界5カ国で本当に存在するスパイ組織じゃないか
俺は一つ目小僧 負ける
また、子供もハーフで美しい顔 ママ似 9歳の男の子
かっこいい クソガキのくせにうらやましい ジャスティンビーバーに似ている
俺はジャスティン「ヒーハー」と呼んだ
この子は人生の50%は、もう成功したようなものだ
俺の顔も見ず ゲームばかりPI PI PI PIやってやがる
親もあきれ果てていた
俺は言ってやった
人間社会で生きていくのが一番難しいゲームだと 教えてやったら
英語で話せ 「tell me in English 」と逆ギレされた
謝っちゃった
今回は、うちの連中は誰も来てくれなかったので 嬉しかった ありがたい
3時間ぐらいおしゃべりして帰り際、綺麗好きな奥さんは、自分達が飲んだペットボトルを拭き ゴミ箱へ テーブルも綺麗に消毒して拭いてくれ、まるで痕跡を残さないよう指紋まで消し去るほど
ひょっとして前科でもあるのか やはりスパイ?
お見舞いに、ドイツのケーキ シュトーレンと ふたつの心に残るものを置いていってくれた
一つはやさしさ
もう一つはクソガキの逆ギレだった