検査日

多忙な神様もしくじる時があり、善人を早めに受け入れてしまう

その点 閻魔様は近頃忙しそうだが、悪人を連れ込む手抜きはしない

こんなことばかりをついつい考えてしまう この日

もう一つの大学病院で13年間 3ヶ月に1度 血液検査 他

おなじみの椅子にもたれ結果を待つ

窓ガラスに映る自分の姿から目をそらす だって笑顔を家に置いてきたから

ここでは二度笑顔を盗まれた

初めから持って来なければ 失うこともない

年に何度か、あのお笑いの宮迫君が目の前に座って待っている時がある

彼は胃ガンだったっけ

周りはほとんどがん患者みたいだ

がんと闘う孤独な人々の歩く道を、世界地図に描くのなら一目でわかるだろう

かつてのシルクロードのように 人でごった返していて 太くて長い道

重々しい空気の中、診察室へ

今回もセーフ 心が7Gから0Gになった気分

どんな善人だろうが体を壊したら元も子もない

悪人に、「痛いの痛いの飛んでけ」 と願っても無駄

いち早く自分の体を知ったやつが勝つ

銃社会ではないこの国で、銃口を突きつけられた時の気分なんて 経験しないことだ

早期なら浅い傷で済む

何でもなければ 水鉄砲だったと笑い飛ばせる

人間はいつも狙われている

もしも相手が凄腕のスナイパーだったら…

神様でさえしくじる時はある

 

 

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