自分を樹木に例えるなら…….
人の心の中に住む 人生の枝打ち職人
枯れたり、栄養が行き渡らない余分な部分を切り取って生かしてくれる 頼もしい職人がいる
家族との死別 愛する人との別れの時も 彼の仕事
ちなみに 俺は「きこり源兵衛さん」と呼んでいる
源兵衛さんの一番難しい仕事は、人を切ること
行く手を妨げる奴 権力を無駄に振りかざす奴 足を引っ張る奴 要するに、自分に害がある奴ら
これは職人の 空気さえ切り裂く鋭利なハサミでも厄介だ
ただ、自分がどんな木となり 成長し 生きていくかを見極めることが必要
桜なのか、杉なのか 松なのか 木蓮なのか うどの大木なのか
根を生やし、どこに立つのか
「桜切るバカ 梅切らぬバカ」と昔から言い伝えがあるが それを理解するのもいいこと
どれだけ腕のいい職人かで、輝く星にいかに近づけるか 高さが大きく変わってくる
体のこともそうだ
悪くなった原因や うまく眠れない悪夢のような夜からも、素早く切り離してくれるのも職人の技
若い頃は、勝手に枝をもぎ取って がむしゃらに成長してきたが
今となっては、不必要なものなど ひとつもなくなってきている
嫌なことや 嫌いな人でも 取り入れていかなくては生きてゆけない世の中
新芽を付けるのも難しい
年をとって、ただ、年輪を数える日々だけは避けたい
もしも、人生が細い幹だと年輪を 鉛筆の先っちょで数えなくてはいけなくなる
たいへん
最近は、源兵衛さんとも会わずじまい
体を壊して休んでいる間に、無駄な枝がのび過ぎてしまった
これからの季節に向かって、人生の枝打ち職人源兵衛さんに 予約でも入れておこう
あなたの心の中の職人さんは、いい仕事をしていますか
だからといって、間違って大切なものを 切り捨てないように
そして花を咲かせましょう