今や、占い師は商売道具をたたみ 科学者が手相を読む
そして 人類に「余命30年ちょっと」と宣告する
人は想像することを止め、画面から刺激を求め 娯楽やお笑いのネタに泳がされ
うんざりし始めた頃
現実のニュースやドキュメントに五感を向け始め 溺れる前に命を守る手段を探し始めた
30年以内に 「震度7以上の直下型地震が必ずやってくる」と政府が打ち出し
また、(温暖化のせいで) いや(人間のせい)で 気候変動が活発化し
全ての生態系は木っ端微塵に
ハリケーンは進路に迷い 大地はみぞうちをくらい 海はゴミを津波で送り返し
太陽は緑を焼き りんごの木は崩れ落ち 二度と人間を作らないようにアダムとイブの存在を消し去る
ロミオとジュリエットの間違った愛の生と死の化かしあいが、世界に広まり
軍隊の敵は人間ではなく 自然界のこめかみに銃口を突きつける
なぜ 宇宙旅行に金をかけ 茶色い地球を眺めに行くのか?
違う使い道はないのか?
大きな声で何度も言うが この地球は他の星の地獄に過ぎない
人口減少は神の仕業か?
神は無駄な仕事はもううんざりだと…
自分たちの子供や孫は、何を見ながらあと30年ちょっともがき続けるのか
今二十歳の娘は50歳になっている
30年ちょっと 戦いに行くのか
戦国時代信長の「戰前の出陣の舞」が聞こえてくる
人生五十年
下天の裏を比べれば 夢幻の如くなり 一度生を享け滅せぬもののあるべきや
「人類負け戦だ」
歴史は繰り返す
一度目は悲劇として 二度目は喜劇として もしこの世に二度目の喜劇が訪れるのなら
お笑いのネタで終わってしまう 「えーかげんに せい!」と
ならば、どう生き続ければいいのか
地球ごとエアコンで冷やすか 無駄な国境の壁で風を塞ぐか
声を上げるだけのブーイングだけで津波は防げるか その津波で燃え盛る火を消し止められるか
人類余命30年ちょっと 2050年までに今すぐ必要なのは
自動運転で持て余すその両手だ