鬼は内

眩しいぐらいの太陽SUN SUN

彼女は鼻歌るんるん 真っ白な T シャツを干しながら

「南向きの部屋と私向きの部屋どっちがいい?」

俺は咄嗟にかわした「君と逆向きの地下」

「なんでそんなこと言うの?」と 彼女は空高くジャンプ

その瞬間、 物干し台の角に頭をぶつけ 血が眉間にたらーり

傷は大したことはなかったが、頭のてっぺんに、角のようなこぶが一本

俺は、三日間 飯も 掃除も 洗濯も ディゴの散歩も 

せっかくの節分の豆まきも一人 「鬼は外」

先日も、掘った落とし穴を埋めぬまま忘れていて、 ディゴと鬼ごっこをしていたら

自分で落ち、捻挫をしていた 「また病院に行くの?」

いつも俺に付き合ってくれるから仕方がない お医者様も大変

もう、病院に行かず保健所に行けばいいのに

それでも笑顔は 鬼かわいい

桃太郎にはなれない俺

鬼は、いや、 彼女はこう言った 「最後まで見捨てなかったのはなぜ?」

俺はこう答えた「他に予定がなかったから」

「あ、誕生日だった 」

 

 

 

 

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