2か月遅れの検査

病院前の交差点

ボーリングの玉を転がし、ストライクを取りたくなる人の群れも

あの忌々しい世界中の出来事で、院内人数は規制され 

子供達が歩道の白線を数えながら渡っている

今日は、2ヶ月ずらされた検査 緊張が走る

うんざりするほど考え込んで潜った 玄関前で、その日の検査結果を占うかのように
駐車場のコインを弾いて 裏か 表か 命の行方

この建物から釈放されてから、何度太陽が横切っただろうか

退院時は、1月の寒い空にぶつかるぐらい飛び跳ねたかったが 

嬉しさと 苦しさと 体に入っている管が絡み合い 自由は奪われ

十二単を着て歩かされているみたいだった

思い起こせば、クリスマスから数えて10日前 あの手術から始まった

「サンタ」と文字を入れ替えただけの「サタン」が、

プレゼントを準備しているサンタを押しのけ 煙突から入ってきたばっかりに

こんな目に…….

遠い昔のように思える

ただ 天国に行く以外は どこへでも行きたかった

人工呼吸器のまずい空気とはおさらばし 外の空気の旨さは格別でした

このドアの前に立つと いつも思う 

健康をでっち上げ ばっくれて家に帰りたいと

さあ 今日から一週間検査の日々 ドアの内側での戦いが始まる

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