チャラ男に癌は似合わない

赤だけ 

色の変化のない 融通の利かない信号がある

くそくらえ と この野郎 の交差点で見たものは

食道がんと咽頭がんの標識だった

あれから丸3年が過ぎ

愛し合っていたワインとも喧嘩別れのまま よりを戻す気配もなく

ひたすらミルクと不倫状態

決して、多目的トイレでは飲んでいない

世間を遠ざけ、孤独と兄弟の盃を交わしたが、どれだけかわしてみても 

ポイントは貯まるわけもなく ちっぽけな自分から逃れるように

黒髪が基準ではない 「こんにちは」の単語さえ知らなかった国へ逃げ込んだ日を思い出す

そこは闘牛と チャラ男しかいないと語られる町

石畳で、標識もない交差点で立ちすくんでいたら

今日も明日も 楽しさだけに情熱を傾ける連中が、名も知らぬ俺の背中を押してくれた

その日から、「今日死んでも悔いはない乱暴な生き方」とはおさらばし

気楽に生きられるようになった

思い起こせば、彼らには角が生えていない

やはり 命を張った闘牛ではなく チャラ男達だったに違いないが

今では感謝している

瞳の色が、黒だけが基準ではない国では 色々なカラーで人を見れる

決めつけず 固まらず そろそろ孤独との盃を返す時がやって来た

どちらかと言うと、命を張った闘牛より チャラ男の方が好きだから

コメントを残す