またしても あれから1年
術後日記を開いてみた
1ページ目にかかれていたものは 自分への手紙でした
生まれてくるときは自由に決められないが、死ぬ時は自由に選びたい
自分をいつ殺したんだろう
十字架を胸のど真ん中に打ち込まれたようだ
静脈が薄れ、行く場所を失ってさまよっている血液
生きている鼓動が体の中からではなく、斜めから垂直に聞こえてくる
pi pi pi ………….
心と体がどこにあるのかわからない
永久に続くのかな
夜も眠れず 外はひっきりなしにサイレンの音が鳴り響く
都会をどれくらいの箱に詰めれば 静かな夜が来る?
枯葉を何枚集めたら 自分だけ生きれば良いと醜い心を隠せるのか
苦しい
ただ僕はここにいる
窓辺に置いた名も知らぬ植物のように、無数の汗
十字架だけでは満たされぬ腹
管から流れ出てくるものでしのぐだけ
夢を頬張り噛み砕いていた頃はもう戻らない
過去の懺悔が唯一の土産
さようなら 僕はもう行くよ
「こんなことを書いていました」