正直者だからと言って 金の斧をもらえるわけではない
湖に落とした斧が、出てきた神様の頭に刺さっていたら
自分の斧さえ返してもらえない
日常、詩や曲が思い浮かぶと メモをとるようにしている
その癖か 入院一か月間 声も出せなく 食事も取れないストレスで不平不満
「文句」を書きとってはポケットに突っ込んでいた
これが私の味方 ポケモン です
そんな自分の気持ちを 正直に 日記と違い簡潔に書き残したメモが
病院の書類の中から出てきました
苦しいのに苦しくないと 痛いのに痛くない 声が出ないのに無理やり出してたり
歩けないくせに車椅子を使わず 壁伝いに歩いたり
食べなきゃいけないおかゆをゴミ箱に捨て 点滴を免れたり
水が飲めないのに飲めたとか 何の得にもならないのに 嘘をついてばかりいた
焦っていたのでしょう
嘘をついても、正直に言っても 退院日が早まるわけではないのに
馬鹿な奴でした
金の斧が遠のいていく
読めば読むほど 恥ずかしい限りです
また少し声が出るようになると、先生に 俺は麻酔が効きにくいから
手術前に麻酔を使わずに子守歌を歌って眠らせたでしょう
と、悪たれジョークを言ってた みたいなことも書いてありました
先生という神様の頭に、斧を落としたのと同じだ
これでは自分の斧さえ取り戻せない
人には正直な気持ちを言えばいいってもんじゃないのに
あの時は、わかっちゃいるけどやめられませんでした
退院してからも 半年は食事がまともに取れなく
腹から栄養剤を入れていたせいか フラストレーションがてっぺんに達し
うちの奥さんに文句ばかり言ってました
俺が文句を言う度、奥さんは孫悟空みたいに頭が痛くなると叫ぶ
俺は三蔵法師か!
やはり、これからは口に出さず我慢して 密かにポケットにしまいこんだ方が
家内安全 夫婦円満
日々ストレスが溜まる 今日この頃
巨大なポケットを作らなくては