ありったけの幸運を鷲掴みにして、一生かけても使いきれず
釣り銭だけで夢を叶えて生きて行ける
その名はベルガー アメリカとインドのハーフ
生まれつき恵まれた環境にいながら、あとひとつ足りないものがある
それは美しい地球だと
ベルは2050年をこの目で見てきたと言い切る
初めは訳の分かんない事をほざく ただの金持ちの坊ちゃんだと目も合わせなかったが
環境問題の話は化学的で的を得ていた
2050年 温暖化のせいで、住む場所も限られ、北緯45°以上に人類は移り住むようになり
水 酸素 食料 資源の取り合いが始まり=(イコール)第3次世界対戦も避けられないと語る
アメリカが、グリーンランドを欲しがる理由も一理ある
確かに全世界このニュースでも 2050年を区切りに温暖化を紐解こうとしている
それも地球の肺 アマゾン 火災で早まる恐れもあると
7ヶ国語を話せるベルは、世界の大学 首都を回り
一文にもならない講演活動を行い 叫び続けている
彼が、北極 アフリカを始め 世界が崩れてゆく姿を目の当たりに体験してきた映像や写真を見せられ
何年先ではなく 今日明日 地獄の入り口に足を踏み入れていくような気がしてきた
出口のない今の地球環境問題
その答えは出ているというのに、
本気で問題を解く方程式を作ろうともせず 先送り
ここからは理系問題ではなく、理解をする文系問題だと俺は思う
日本はプラスチックごみ排出量は世界で第2位
co2排出は世界3位 と不名誉な国
悲しい 何かできることは無いのか
ベルが脈打つ音が聞こえてきそうな話を終え、降り続く大雨が横殴りに当たる
天井から張り巡らされたガラス越しに 空を見上げ 悲しげな顔で立っていた
俺はジョークで、またタイムスリップをしてどこかに行くのか?と尋ねたら
彼は別れ際に一言
ここは2049年か?