1000年先まで残したい1日

 親友、妹、マブダチで、彼女ということ以外は全て当てはまる人を亡くし

その葬式の日に...

国際線の CA  教官にまで上り詰め セスナの免許まで取得し 

七里ヶ浜の海岸沿いに彼と同棲 波乗りしながら幸せいっぱいの暮らし

その子「J」は 月に1度 長丁場のフライトを終え

必ず俺に電話をしてきては、飲みに行こうと誘う

いつもは都内で 何人か集め盛り上がるのだが、その日は二人 藤沢駅前で 

「J」 はいつものように彼氏とのエロ話や 未来の夢を語り

仕事帰りの俺は、車で飲めず 早めに解散となり 七里まで送って行った

いつものようにハグをしてBYE BYE

ルームミラーに映る「J」は見えなくなるまで手を振っていた

朝方4時過ぎ 「J」の彼氏から電話が入った

「J」が風呂場で亡くなった」と

「そんなはずはない」 呑む前にスリッパ ボードのスケッグを買いに付き合い

明日のことや、ハワイに永住する と楽しそうに話していた「 J 」が

夢かと思ったが現実だった

俺は 「J」 の瞳に映った最後の人間になってしまった

頼りにしていた神様は、なぜあの子を奪ったのか

 恨み この世は悪魔しかいないと神の存在を否定した方が、神の評判のために良いとまで思った

事故なのか何なのか 答えは天国に消えた

葬式の日「 J」 と新入社員の頃から同部屋で暮らし 親友だった女性と出会い

その子が今の奥さんです

「 J 」の部屋に、2人の写真が飾ってあり いつか「この子ガリバーさんに紹介するね、霊感あるんだよ」と

一つの花が散り 一つの花が咲いていた

大きな出会いと別れを 1日で

あの世の天国 この世の天国をいっぺんに味わった

その何ヶ月前、「 J」に曲を作って欲しいと頼まれ プレゼントした

 

その曲が「HEAVEN ヘブン」

プレゼントした時のタイトルは「生きれる理由(わけ)」だったのが

亡くなった後に、「HEAVEN」に変え

詩を変えようとしたが 表現が出来なかった

何十年経っても、この曲だけは売りに出せず

やっと今 この曲を人に聞かせたい気持ちになっている

若い命を失うということは、周りの人間達の人生を 良くも悪くもズレを生じさせる

「J」俺たちは生きている なんとかやっている

その日が来るまで 

あの世で会ったら 一発頭をコツン七里ガ浜

 

 

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