鬼滅の前歯

NO PROBLEM

咽頭がん再発

まだ手術をするほどではないが、来週結果が出る

そうであっても、また細胞を削るだけ   簡単な手術らしい

半年に一度の総検査は腹が減る

飲まず食わずで 気づけば夕方

帰りの車内で、「夕飯 何?」 彼女はこう答えた

「前、作ったハンバーグ 

東海道53次をフルスピードで3往復しても壊れない わらじハンバーグと言われたからリベンジ‼」

BGM 流れる ジャニス ジャップリンの曲が

俺とハンバーグとの距離を気遣うかのように悲しくグルーブしていた

なぜならば、あの日食べたハンバーグは 誰が食べてもこう感じただろう

サメでも食いちぎれなく 百獣の王でさえ牙を奪われ ロビンフットの矢をもへし折り 

鬼のこん棒でも割れず ナポレオンが服従を余儀なくされた眠れない要因の一つと言われている

他に7つの例があるが、この辺にしておこう

テーブルには、2種類のチーズソースがたっぷりかかったハンバーグが鬼の目に見え

添えられたニンジンが角に、ブロッコリーが鼻に ポテトが口に…

覚悟はできたか 守りに入るな

今度残したら雷が落ちる

うまいじゃん 少し硬めだけど 半分くらい食べたところで 

ガチッ ジャリッ

どこかの端っこが焦げていたみたい 前歯の先端が欠けた

今回は、53次を日本橋から横浜まで歩いて 鼻緒が切れていた程度で済んだ

が、怪我をした

彼女の料理は、ダイナマイトパンチは持ち合わせていないが、ジャブを打ち

ボディーブローで 後々徐々に効いてくる

これは、15Rまでじっくり長く勝負をしていかないと 決着がつかないってことかな

癌なんて鬼に退治してもらって、長生きしなくては

歯医者に行ってきます

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