青が散る2 裏話

梅雨前の大掃除 懐かしいものが出てきました

タンスの奥にしまってあった13冊の台本と、一冊の企画書

忘れもしない35年前

そこには 確かにもう一つの青春がありました

フレッシュサウンズコンテストを終え いくつかのレコード会社からオファーがあり

どこにしようかと悩んでいる最中

日音という会社から一本の電話が入りました

今から TBS 柳井プロデューサーと 八木さんという方と一緒に行くから

歌ってくれと

それ誰?

ヤマハでバイトをしていたので スタジオをすぐ押さえ  ご対面

柳井プロデューサーとは、金八先生 長渕さんの家族ゲーム 親子ゲーム トンボ
他を作った大プロデューサー

必ずジャニーズとアーティスト を番組に起用する人です

すごい人たちを前に、2曲歌い

企画書を見せられ そこには

その1 主役の燎平ではなく ガリバーが書かれていました

読んでいるうちに、ラストシーンに目をやると 

武道館で歌い 麻薬で逮捕され
1万人の中をパトカーに乗せられ逆流していきドラマが終わる

と書いてありました

そして、光の部分は松田聖子が歌い

影はガリバー役が歌うと

ドラマはこれ一本だけ という約束で やってみようと決心をしました

石黒賢 二谷友里恵 俺 はデビュー作

素人3人集 連日レッスンを受け

あれよあれよという間にレコーディングも始まり

ふと気づくと、髪を切り 坊主頭

髭を剃り ガリバー役にどっぷり

シンガーソングアクターにされていました

3回のオンエアまで曲が出来上がらず 少し違う「人間の駱駝」を歌っていたのに気づいた人はいないだろう

ドラマも中盤に入ると、緑山に撮影に行くのではなく 

大学に行く気分で、本当の学生生活の様だった

撮影の間、バレーボール テニス 野球 夜は金もないのに朝まで飲み歩き
そのまま緑山楽屋で仮眠

この頃 「ギャラより高い交通費」と俺が作った歌を皆で叫んでいました

もちろん恋心も生まれていたのでは?

役者としてのもの心もつかないうちに 最終回を迎え、最後の撮影は俺のLIVEシーン

23本のドラマだったが、13本にまとめられ ラストシーンが変更

ショックでした

歌い終わり 「カット」

すべて終了 拍手が舞い上がり 「お疲れ様でした」

と同時に、

佐藤浩市が歩み寄ってきて、「ガリバー賢を胴上げしよう」と

俺と浩市は密かにみんなに伝え

胴上げをされた賢は、涙 涙で可愛かった

1番年下の高校生 純粋で綺麗な瞳でした

全員ですぐに記念撮影 そして仮打ち上げ その時 NG 大賞発表

まさかの俺

全員からビールを頭からぶっかけられ、あの人数 何分か呼吸ができなくなった事か

そのまま六本木のディスコに レギュラー陣だけで2次会に行くと

俺は「服がないどうしよう」衣装さんが、金八先生生徒のジャージを持ってきた

これで六本木のディスコに入れてくれるのか?

俺の顔を見た瞬間 入れてくれた

「ガリバー」というやつが世の中に勝手に一人歩きしていた

あれから35年

今でもみんな仲良しです

それぞれ家族を持ち 誰一人欠けることなく 役者としてこの世界で頑張っています

俺はミュージシャンに戻り……

みんな覚えている? あの頃夢を語っていたこと

何年経っても 何があっても 自分らしく生きようと

「青が散る」というドラマに出させていただいたおかげで、

後の人生のヒントが少し見えてきたことを思い出します

この台本は あの世まで持って行こう

あの時 撮影が終わってすぐに取った出演者しか持っていない一枚の写真

今でも大切にしています

みんな、あの番組を好きになってくれた人達に そろそろ見せてあげてもいいだろう

な!

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