眠れる森の魔女たち

彼女は、睡眠強化週間に入ったと語る

疲れているのか

朝寝 昼寝 夕寝 まるでインスタント味噌汁みたいだ

AM 5時  ディゴの散歩 洗濯 掃除 朝食 と魔法を使わず忙しい奥様

それから仕事 と多忙な毎日

帰宅し ふと見るとソファーにぐったり

「寝てるの?」と聞くと「違う 夜寝るリハーサル」と言う

寝るリハがあるんだ 知らなかった 親からも先生からも教わってはいない

「じゃあ、昨夜寝ていたのはゲネプロ?」

(ゲネプロとはコンサート初日の前日に本番と同じことを すること)

1日24時間 2人で話す時間は40分もない

どこでもそこでも 逆立ちしていても 眠れる森の魔女

奥様は、食べるより 眠り 寝る子は育つと言うが、
寝ている間に すね毛が育ちすぎたらどうなってしまうのだろう

体の中で麻酔でも製造しているのでしょう

俺は、入院中睡眠薬を2回飲んだが眠れない男

夜中 ディゴに何度もトイレで起こされても、日中はギラギラしている

寝るのがもったいない性格

老人になっても 起きたきり老人 と呼ばれるだろう

娘は、日常 起床ラッパで飛び起き 授業 訓練 サバイバルの日々

たまに帰宅すると、たらふく食べて 「毒りんご」でも食べたかのように起きてこない

「おしゃべりしよう」と言っても

「寝るから起こさないで」と

「もう一人で遊べるようにならないとね」と 

上から目線で背中越しに告げ 部屋の鍵をガチャ

もう少し厚手のオブラートに包んで言ってくれると、俺も傷つかなくて済むのだけれど

うちの女子チームは、俺の存在を否定していると言っても過言ではない

何十万人 何千万人が、俺の歌に耳を傾けてくれたのに

あの2人には響かない

新ギャグをふたりの前で披露しても、眠ったふり

面白いシャレを言っても、綿棒で耳をかいているし

足の小指を柱にぶつけて痛がっていても 「大丈夫?」優しい言葉さえ失いかけている

俺の前では心まで熟睡させているみたいだ

めんどくさいことから自由に気を失えるのだろう

睡眠強化週間なんかじゃない 睡眠強化年間じゃないか!

キスをして目覚めさせてくれる王子様は、俺だということに気づいてはいない

lion sleeping beside rock

 

 

 

コメントを残す